無機物

書ききれなかった事などをつらつらと。

個人的に好きな小説ランキング

前々からやりたいなと思っていたのですが、結局2年くらいやっていなかった事をようやくやろうと思います。

今までの人生で読んだ小説の中でも特に好きな10冊をランキングにして紹介していきます。

何か小説を読みたいなと思っている方の参考になれば幸いです。

 

第十位:14歳限定症候群 - 壁井ユカコ

14歳限定症候群 (角川文庫)

14歳限定症候群 (角川文庫)

 

生島ちほ14歳、今日づけで男子になってしまいました―。同じ中学に通う仲良し女子6人組を襲った、不思議なヤマイ。関節痛のような痛みを伴うそれは、驚きの現象を引き起こすものだった!親友男子に告白されたあと、男になってしまったちほ、オトナになってしまった咲、そして…犬にまで!?一方、市内では女子中学生を狙った猟奇殺人事件が起きていて…。この非常事態に、少女たちは!?予測不能な変身系青春エンタメ。

5年程前に読んだ小説ですが、未だに内容が鮮明に思い出されるほど当時の僕に強烈なインパクトを残した作品です。 14歳、JC真っ盛りの少女たちに起こる不思議な出来事について描かれた連作短編集。突然男性器が生えてきてしまった少女の話である「性」が一番好きです。

第九位:コンビニ人間 - 村田沙耶香

コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)

 

「いらっしゃいませー!」お客様がたてる音に負けじと、私は叫ぶ。古倉恵子、コンビニバイト歴18年。彼氏なしの36歳。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。ある日婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて…。現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作。

芥川賞受賞作品ということで、耳にしたことがあるという人も多いのではないかと思います。 発達障害(本文中に明確な記載がないため推測)で、「普通の人間」ではない主人公は、コンビニで働いているときだけは社会適合者の皮を被り「普通の人間」として生きていける。そんな姿を見て、主人公に共感したくないのに心のどこかで共感してしまう自分がいて、なんともいえない気持ちになりました。

全200ページにも満たない薄さなので、読書が苦手な方にもおすすめしたいです。

第八位:15歳のテロリスト - 松村涼也

15歳のテロリスト (メディアワークス文庫)

15歳のテロリスト (メディアワークス文庫)

 

「すべて、吹き飛んでしまえ」突然の犯行予告のあとに起きた新宿駅爆破事件。容疑者は渡辺篤人。たった15歳の少年の犯行は、世間を震撼させた。少年犯罪を追う記者・安藤は、渡辺篤人を知っていた。かつて少年犯罪被害者の会で出会った孤独な少年。何が、彼を凶行に駆り立てたのか?進展しない捜査を傍目に、安藤は、行方をくらませた少年の足取りを追う。事件の裏に隠された驚愕の真実に安藤が辿り着いたとき、15歳のテロリストの最後の闘いが始まろうとしていた―。

自分の親族を全員殺され、一人孤独に生きていかなければならなくなってしまった15歳の少年が主人公。詳しいことを書くとネタバレになってしまうので書けないのですが、社会派小説に興味がある方には是非読んでもらいたいです。

第七位:演じられたタイムトラベル - 土橋真二郎

演じられたタイムトラベル (メディアワークス文庫)

演じられたタイムトラベル (メディアワークス文庫)

 

大学生の朝倉僚は、目を覚ますと知らない場所に閉じ込められていた。ずきずきと痛む頭、はっきりとしない直前の記憶、首に巻かれた無骨なワイヤー。そして、その場所には“ある共通点”を持つ人間たちが集められていた。かつて制作の頓挫したゲームアプリ“SOD”―その開発者たちが一堂に集められ、ゲームのプレイヤーを“演じる”ことを命じられる。矛盾を起こせば死―記憶だけを頼りに“抜け落ちた時間のイベントを補完する”、決死の舞台が幕を開ける。

クローズドサークル物に定評のある土橋真二郎作品。この作品も例によってクローズドサークルがテーマになっているのですが、「仮想の過去と未来を行き来して矛盾の無いように時間を補完して脱出を目指す」というテーマが面白いなと思いました。

第六位:阪急電車 - 有川浩

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

 

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。

 言わずとしれた名作です。電車に乗っている乗客に起こる様々な人間ドラマの数々を題材とした連作短編集。有川浩作品といえばベタベタで甘々の恋愛小説が多いというイメージがある方も多いのではないかと思いますが、この作品は甘すぎないテイストでとても読みやすく、読後感も爽やかでいい作品だと思います。

第五位:陽だまりの彼女 - 越谷オサム

陽だまりの彼女 (新潮文庫)

陽だまりの彼女 (新潮文庫)

 

幼馴染みと十年ぶりに再会した俺。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。でも彼女、俺には計り知れない過去を抱えているようで―その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる!誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさもすべてつまった完全無欠の恋愛小説。

僕は恋愛小説を読むことがあまり無いのですが、そんな僕でも「よい…」と言ってしまうくらい完成されていて、万人受けする作品だと思います。

女性の方よりも男性の方におすすめしたいです。マオかわいい。

第四位:アルテーミスの采配 - 真梨幸子

アルテーミスの采配 (幻冬舎文庫)

アルテーミスの采配 (幻冬舎文庫)

 

出版社で働く派遣社員の倉本渚は、ある日AV女優連続不審死事件の容疑者が遺したルポ「アルテーミスの采配」を手にする。原稿は〝僕は犯人ではない。本当の黒幕は〟という告白の途中で終わっていた。好奇心のあまり調査を始める渚だったが、やがて原稿に張り巡らされた罠に気付く――。一頁目から無数の罠が読者を襲う、怒濤の一気読みミステリ。

本屋で表紙を見た時に「なんだこれ!?」となり興味を持ち、内容が好みに合っていそうだったため購入した小説です。

本筋はミステリではあるのですが、傍らでAV業界についてかなり詳しくかかれており、男性なら「へぇ~そうなんだ」となる事間違いなしだと思います。

第三位:夏の終わりに君が死ねば完璧だったから - 斜線堂有紀

夏の終わりに君が死ねば完璧だったから (メディアワークス文庫)

夏の終わりに君が死ねば完璧だったから (メディアワークス文庫)

 

片田舎に暮らす少年・江都日向は劣悪な家庭環境のせいで将来に希望を抱けずにいた。そんな彼の前に現れたのは身体が金塊に変わる致死の病「金塊病」を患う女子大生・都村弥子だった。彼女は死後三億で売れる『自分』の相続を突如彼に持ち掛ける。相続の条件として提示されたチェッカーという古い盤上ゲームを通じ、二人の距離は徐々に縮まっていく。しかし、彼女の死に紐づく大金が二人の運命を狂わせる―。抱えていた秘密が解かれるとき二人が選ぶ『正解』とは?

最近個人的にアツい作家さんである斜線堂有紀さんの作品。主人公は自分の好意の対象が「3億円分の金塊」ではなく「ヤコさん」だと証明しようとするが、それはとてつもなく難しい事で…。本文中の「弥子さんと過ごした時間には一銭の価値もないのに、彼女の死体には3億円以上の価値がある」というセリフには心をボコボコにされました。

第二位:三日間の幸福 - 三秋縋

三日間の幸福 (メディアワークス文庫)
 

 どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の“査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。未来を悲観して寿命の大半を売り払った俺は、僅かな余生で幸せを掴もうと躍起になるが、何をやっても裏目に出る。空回りし続ける俺を醒めた目で見つめる、「監視員」のミヤギ。彼女の為に生きることこそが一番の幸せなのだと気付く頃には、俺の寿命は二か月を切っていた。ウェブで大人気のエピソードがついに文庫化。

恐らく三秋縋の著書の中でも一番有名な作品。 こちらも上記の夏の終わりに~と同じで人生に値段が付く系の作品ですね。 幸福について考えさせられる作品だと思います。タイトルが秀逸。今まで読んだ小説の中で一番読後感がいい小説でした。

第一位:君の話 - 三秋縋

君の話

君の話

 

二十歳の夏、僕は一度も出会ったことのない女の子と再会した。架空の青春時代、架空の夏、架空の幼馴染。夏凪灯花は記憶改変技術によって僕の脳に植えつけられた“義憶”の中だけの存在であり、実在しない人物のはずだった。「君は、色んなことを忘れてるんだよ」と彼女は寂しげに笑う。「でもね、それは多分、忘れる必要があったからなの」これは恋の話だ。その恋は、出会う前から続いていて、始まる前に終わっていた。

大好きな三秋縋作品の中でも個人的最高傑作です。優しい嘘をつく人のお話。

僕の文章力では良さを表現しきれないので少しでも興味がある方は是非手にとって読んでみてください。

物語後半からの畳み掛けには一気読みが止まりませんでした。 感傷に浸りたい方におすすめです。

 

以上が僕の好きな小説10選となります。僕は推理小説を好んで読むのですが、こうして並べてみると意外とオールジャンル読んでいるんだな、と感じます。

今回はライトノベルやシリーズ物は外して選考してみました。

後日、気が向いたらライトノベルとシリーズ物の小説のランキングも作ってみようかなと思います。